ところで協会全体における調査の達成率であるが、統計がないので推測になりますが、10年前と比べていれば下がっていることに間違いありません。
これは個人情報保護法が施行されてから住民票を取得することが難しくなり、身元を確認するすべがないといった状況か大きく影響しています。
また最近では、オートロック形式のマンションが増えたために、寸前まで尾行しても、何号室に住んでいるかまでは簡単にわからなくなってきています。郵便受けに自分の名前を出さない人も多くなっています。しかし、もちろん郵便受けの中を見ることはできません。
翌朝出勤する対象者を尾行して、会社の名前まではわかっていても、本人の名前までは、なかなかたどり着けないものなのです。
正直、悪事を働いている人間がこの法律で保護され、安心している様子を見るときには何とも釈然としない思いをします。このような状況にあっても、有効な手だてを考えて調査し、依頼人の要望にこたえるのが、本物の探偵といえるでしょう。
探偵業も日々研鑽に努めなければやってはいけません。経験だけで何とかしようとしている仕事ではないのです。
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